【背景】

当院地域包括ケア病床は入院患者の特徴として平均年齢は85歳、身体・精神認知・社会的に虚弱した方が多く、積極的なリハビリテーション(以下、リハ)が困難な場合が多い。特に男性では入院生活中も活動性が低く、リハビリ拒否や病室で引きこもり生活の大半をベッド上で過ごす傾向があった。このようなケースは在宅生活へ移行した後もサービスの受け入れが不良で、運動継続が困難となり引きこもりに発展することが多かった。

在宅生活を継続する為には、第3者の支援(サービス利用)に加え、地域の通いの場等への参加が重要とされているが、リハ専門職の介入が限られていることもあり、リハ専門職に依存しない形が理想と考える。

そのため、今回入院中から在宅生活を見据えた継続可能な運動機会を提供する支援を構築する取り組みを実施した。

【目的】

病院入院中から集団の場に慣れ、在宅復帰後も集団の場に参加し第3者介入下で運動を継続することで、より長く在宅生活を送れる支援をすることを目的とし集団リハの立ち上げを行った。

【方法】

集団リハの実施者は当院リハ専門職が主に担当し、介護職がサポートした。

対象者は自主トレーニング継続困難者とし、累計62名であった。介入頻度は週3回で1回40分と設定した。

【結果】

参加率は82.9%であった。不参加となった方の主な理由は①疲労、②意欲低下、③集団の場が苦手となった。

また、リハ専門職不在時には介護職のみでも実施可能となった。

【考察】

集団リハは心理的満足感や充実感が高い、仲間意識が得られるといわれているため集団の場へ参加が可能であれば運動継続可能な可能性が高い。

集団が苦手な対象患者は病棟と協力し離床タイミングを調整する、個別に離床方法を検討していく必要がある。

【今後】

退院後の在宅生活における運動・生活状況、サービス受け入れ状況を調査していき、集団リハによる効果を検証していく必要がある。